北極へ 南極へ 〜Lisa Vogtの仕事 2008/04/15
↑『White Gift』(木耳社)の装幀は、横位置にデザインされていて、これはMacintoshのNOTE PCを開いたイメージだそうである。確かに、開いたとたん何かが同時に起動する。
薄羽美江さん(MCプランニング)のビジネスパートナーであるLisa Vogtさんがシロクマの写真集を三冊連打した(Lisaという人はいつお会いしてもとってもチャーミングである)。
Lisaは別にシロクマをかわいく撮ろうなんてこれっぽっちも思っていない。
愛情を持ってシャッターを切っているだけだ。
Lisaはベストショットなんか狙っているわけではない。
シロクマが彼女の前ではそんなふうに振る舞うだけだ。
Lisaはむりやりシロクマににじり寄ったりしない。
向こうからやってくるだけだ。
Lisaは It`s OK to just do what feels right. そうおもってカメラを構え、Surrender! そうしながらシャッターを切っている、ただそれだけである。そういった意味で「間」の写真集ということもできる。
このテの写真集はどうしてもブックデザイナーが頑張りすぎる傾向がある。写真自体に力があるとデザイナーは本能的に自分の技を主張したくなるのだろうか。しかしこういったときのデザイナーの本当の力というのは「素材の力に身を委ねる」ことである。大切なのは写真家の力、素材の力にサーフィンすることである。そういった意味でもこの写真集は成功をおさめている。
↑上の二枚のうち下はカバーを広げたところ。『北極シロクマ 南極ペンギン』(大阪書籍)は右開きで北極世界へと導かれ、左開きからは南極へと誘われる。そうして背表紙がなんと赤道を表す赤でデザインさている。この本そのものが小さな地球であり、地球そのものと呼応しているのである。
↑ またソニーマガジンズの『Polar Bear LOVE』も見逃せない。
Lisa Vogtさんのプロフィールは以下の通り。また、北海道を皮切りに写真展が開催される。いずれも詳細は彼女のサイトへ。
http://www.lisavogt.com/
【 Lisa Vogt リサ・ヴォート 】
米国 Washington州 生まれ。 アメリカ人の父と日本人の母をもつ 。メリーランド州立大学にて「A.A.日本研究」「B.S.経営学」を、テンプル大学大学院にて「TESOL修士」を修める。現在、株式会社MC Planning, Inc. 取締役およびクリエイティヴ・ディレクター、青山学院大学・明治大学非常勤講師。NHK, 放送大学のTVやラジオ英語講座をはじめ、企業や一般を対象に『異文化コミュニケーション』のワークショップや講演、司会、通訳など、異文化コミュニケーターとして幅広く活躍。
おもな著書に 『英語を聞き取るリスニングのコツ』、『オフィスでマスターできる基本英会話』、『実力が伝わる英文履歴書の書き方』、『ネイティヴの慣用句がすんなりわかる本』(ノヴァ出版)、『困ったときの英会話の基本』(SSコミュニケーションズ)、『伝える伝わる英会話』(NHK出版)、『どんどん話せる!五感活用英会話 ー 目・耳・舌・鼻・肌で感じるフレーズ400』(三修社)、『その英語、正しく言えたも通じません ー ネイティヴには通じない日本語の常識』(主婦の友社)、『ネイティヴはそう言いません』(研究社)、など。
◆なお、この三冊をプロデュースされた薄羽美江さんに関しては、ここから。
http://www.hirano-masahiko.com/tanbou/327.html
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